紅い文

間違いだらけの文章につき、あかいふみと名付けました。

読書感想記

 こんばんは。
 本日2度目のブログです。
 今回は先日読みました崎谷はるひ著「トオチカ」の紹介をいたします。
 *諸事情により5月20日まで上げております。

トオチカ

 追記
 特設サイトもできました。
 登場人物のラフイラストも見れますよ!

崎谷はるひ『トオチカ』|KADOKAWA


 *†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†* 

 あらすじ(角川書店様より抜粋)

 鎌倉で雑貨店を営む里葎子。
 過去の恋によりトラウマを抱える彼女に長身のバイヤー千正は何かとちょっかいをかける。
 彼に対して普通に振る舞えない里葎子はある日、決定的な弱みを見せてしまい…。

 *†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*

興味のある方のみ「続きを読む」からご覧下さい。


 BL作品を読む方はご存知かもしれませんが、崎谷はるひ様はそちらの方でご高名な作家です。
 その崎谷様が本日男女の恋愛を描いた小説「トオチカ」を発売になりました。

 舞台が鎌倉しかも雑貨店、ということで鎌倉好き&雑貨屋好きな私はもうそれだけで食いついてしまいました(笑)
 あらすじではヒーローだけ長身となっておりますが、ヒロインも長身。
 見栄えのするカップルです(*^_^*)
 トオチカというタイトルは遠くからでも近くからでもお客が来るようにと名付けたお店の名前で、
ロシア語の「トーチカ」拠点ももじっております。
 最初タイトルを見たときは冴えないタイトル(失礼!)だなと思っておりましたが、
読了後は幾重にも深い意味があったのだと気付きました。
 作者の力量といか、手腕の素晴らしさに脱帽いたしました。
 
 ヒロイン里葎子の脇を固めるキャラもとっても魅力的で、
彼女と一緒にお店を経営する比奈のおっさんキャラが微笑ましく、
何かとちょっかいを出す千正の格好良さ、さらに《あの店》(看板のないレストラン)の性別不明なマスターの怪しげな魅力と満載です。
 また、里葎子と比奈や千正とのやりとりが生き生きしていて楽しい。
 じつは里葎子の弱みは思いっきり重いです。
 そのことばかりをクローズアップして描くと、本当に救いようがないくらいどんよりした作品になったはず。
 だけど、この脇キャラたちのおかげで楽しめたところが強いです。
 
 あと、描写がじつに細かくて、中でも食べ物に関する描写は絶品!
 その料理の匂いが本から漂ってくるようでした。
 
 若干R的なシーンもございますが、料理の描写や鎌倉の風景描写が素晴らしいので読む価値ありです!
 G.Wに予定がないよーという方、もしくはレジャーへ向かう途中の電車のお供にいかがでしょうか。
 きっと読後はじわっと温かい気持ちと恋っていいなと思える作品だと存じます。

 ここまでお付き合い下さりありがとうございましたm(__)m

 秋沢文穂拝